
この手紙は、人見知りのお子さまを持つ保護者の皆さまへお届けします。
「先生……この子、人見知りなんです。」
愛知柏原道院で体験に来られる保護者の方から、聞いてきた言葉です。
その言葉を聞くたびに、私は思います。
この場所へ来るまでに、どれだけ悩み、どれだけ勇気を出してくださったのだろう、と。
子どもは、何も悪くありません。
保護者の皆さまも、何も悪くありません。
ただ、新しい場所へ踏み出すことが少し苦手なだけ。
初めての人と話すことが少し苦手なだけ。
その小さな一歩が、とても大きく感じるだけなのです。
勇気を出したのは、お子さまだけではありません
「先生……この子、人見知りなんです。」
体験に来られた保護者の方から、これまで何度も聞いてきた言葉です。
その言葉を聞くたびに、私はいつも思います。
勇気を出したのは、お子さまだけではない。
本当に勇気を出したのは、保護者の皆さまなのではないか、と。
「知らない場所へ連れて行って大丈夫なのか。」
「また泣いてしまったらどうすればいいのか。」
「みんなの輪に上手くは入れるのだろうか……。」
そんな不安を抱えながら、「一度行ってみよう」と決めるその一歩は、決して簡単なものではありません。
子どもは、お父さんやお母さんの表情をよく見ています。
保護者の皆さまも緊張した表情をしています。
「先生はどんな人だろう。」
「ほかの子たちはどんな子だろう。」
「うちの子でも大丈夫だろうか。」
そんな気持ちを胸に、この場所へ来てくださる。
私は、その勇気に、まず感謝を伝えたいのです。
人見知りだから。
恥ずかしがり屋だから。
それは決して「悪いこと」ではありません。
慎重だからこそ、最初の一歩に時間がかかる子もいます。
周りをよく見て、人の気持ちを感じ取れるからこそ、知らない場所では緊張してしまう子もいます。
だから私たちは、最初から大きな声で挨拶ができることも、すぐに友達の輪に入れることも求めません。
まずは、その子が安心して「ここにいてもいいんだ」と思える場所であること。
それが、何よりも大切だと考えています。
最初から元気な子なんて、ほとんどいません。

「最初から元気いっぱいだった子なんですよね?」
そう聞かれることがあります。
全く、そんなことはありません。
実は、最初から道場中を走り回るような子の方が少ないのです。
多くの子どもたちは、最初の体験の日、不安そうな表情で道場へ入ってきます。
お父さんやお母さんの後ろにそっと隠れる子。
靴を脱がずに、入口で立ち止まってしまう子。
周りをキョロキョロ見ながら、小さく会釈をする子。
お母さんの手をぎゅっと握って離さない子。
そんな姿を、私たちは何人も見てきました。
だから、人見知りだからといって、特別心配する必要はありません。
それは、この子らしい「最初の一歩」なのです。
愛知柏原道院には、これまでにもたくさんの人見知りだった子どもたちが入門してきました。
最初は声も小さく、返事もできなかった子。
みんなの前に立つだけで緊張してしまった子。
声をかけると泣いてしまう子。
でも、少しずつ道場の空気に慣れ、先輩たちと笑い合い、元気に通ってくれるようになります。
そして、新しく入ってきた子へ「一緒にやろう」と声をかけられるようになった子供達の姿を、私たちは何度も見てきました。
その成長に、特別な魔法はありません。
毎週少しずつ道場へ来て、
友達と笑って、
時には失敗して、
また来週も来る。
その積み重ねが、子どもたちの小さな自信を育てていくのです。
だから私たちは、
「人見知りを直そう。」
とは考えず、その子のペースで、その子らしく一歩ずつ前へ進めること。
それが、何より大切だと思っています。
もちろん、愛知柏原道院にも、最初はお母さんのそばを離れられなかった小さな拳士がいました。
よく泣いてしまい、見学しているお母さんのところに行ってしまう小さな拳士もいました。
それでも毎週道場へ通い続けるうちに、少しずつ笑顔が増え、今では後から入ってきた小さな子へ優しく声をかけられるようになっています。
今ではその子は、毎回元気で明るい笑顔を見せて、
「せんせー、あのねー」
と、声をかけてくれます。
子どもは、「自信がついたから挑戦する」のではありません。
小さな挑戦を積み重ねることで、少しずつ自信を育てていくのです。
最初は恥ずかしがり屋だった小さな拳士、みなと君の成長記録はこちら
私たちは、子どもの「できない」を急ぎません。

「先生、まだ元気に挨拶ができないんです……。」
「みんなの輪に入れなくて心配です。」
保護者の方から、そんなお話をいただくことがありますが、私はいつも同じことをお伝えしています。
「大丈夫です。焦らなくていいんです。」
子どもの成長には、それぞれのペースがあり、昨日できなかったことが、今日できるようになる子もいます。
半年かけてゆっくり、少しずつ変わっていく子もいます。
いつの日か「あれ?そう言えばきるようになっているね」と気付く子もいます。
だから私たちは、子どもたちに
「早くできるようになろう。」や「まだできないの?」
とは言いません。
大切なのは、誰かと比べることではなく、
昨日の自分より、ほんの少し前へ進むこと。
それが愛知柏原道院の考え方です。
私たちが育てたいのは、大会で勝つ子だけではありません。
大きな声で挨拶ができるようになることも、
友達に「一緒にやろう」と声をかけられることも、
失敗しても、もう一度挑戦してみようと思えることも、
どれも同じくらい大切な成長だと思っています。
最初は人見知りでもいい。恥ずかしがり屋でもいい。泣いてしまってもいい。
その子の歩幅で、一歩ずつ前へ進めばいいのです。
私たちは、その一歩を急がせることはありません。
その代わり、
その子が踏み出した小さな一歩を、誰よりも一緒に喜びたい。
そう思いながら、日々子どもたちと向き合っています。
愛知柏原道院には、「最強より最高になろう」という言葉があります
最強とは、誰かに勝つこと。最高とは、昨日の自分を少し超えていくこと。
私たちは、その積み重ねが、子どもたちの本当の自信につながると信じています。
子どもの成長は、比べるものではありません。
歩く速さが違うように、成長する速さも、一人ひとり違います。
だから私たちは、その子だけの未来を信じて待ちます。
小さな「できた。」が、自信を育てていきます。

ある日、これまでお母さんの後ろに隠れていた子が、
自分から
「よろしくおねがいします。」
と言えました。
たったそれだけのことですが、
その日のお父さん、お母さんの笑顔を、私たちは忘れません。
子どもにとっては小さな一歩は、保護者にとっては、大きな成長です。
その日から突然何でもできるようになるわけではありません。
次の週にはまた恥ずかしくなってしまう日もあります。
でも、それでいいのです。
子どもの成長は、一方通行ではなく、
進んだり、少し戻ったり、変化したり。
その繰り返しの中で、
「できた。」
が増えていきます。
そして気が付けば、
あの日、お母さんの後ろに隠れていた子が、
新しく入ってきた子へ
「こっちだよ。」
と声をかけている。
私たちは、そんな瞬間を何度も見てきました。
最初は人見知りで、お母さんのそばから離れられなかった小さな拳士が、
今では、元気いっぱいに修練へ参加し、小さな後輩へ優しく声をかけられるようになります。
その姿を見るたびに、私たちは
私は、子どもたちの持つ力の大きさに驚かされます。
保護者の皆さまへ
子どもの「できない。」に目が向いてしまう日もあると思います。
失敗した姿を見て、どうして・・・と思うときもあるでしょう。
でも、少し立ち止まって、
「昨日よりできるようになったこと」
を探してみてください。
子どもは、私たち大人が思っている以上に、
毎日少しずつ、確実に成長しています。
最後に、人見知りのお子さまを持つ保護者の皆さまへ
人見知りは、その子の弱さではありません。
慎重だからこそ、
優しいからこそ、
周りをよく見ているからこそ、
最初の一歩に少し時間がかかるだけです。
だから、焦らなくて大丈夫。誰かと比べなくても大丈夫。
その子には、その子だけの歩幅があります。
私たちは、これまでたくさんの子どもたちを見てきました。
最初は泣いてしまった子。
お父さん、お母さんから離れられなかった子。
声が出せなかった子。
そんな子どもたちも、
少しずつ笑えるようになり、
少しずつ友達ができ、
少しずつ自分らしく歩き始めました。
私たちは、その姿を何度も見てきました。
だからこそ、
私は、保護者の皆さまにも、人見知りのお子さまにも、心からこう伝えます。
大丈夫。
あなたにも、あなたらしく成長できる場所があります。
もし今、
「この子に合う場所はないかな。」
そう思いながら、この手紙を読んでくださった保護者の方がいらっしゃるなら。
どうか、一人で悩まないでください。
まずは、お子さまと一緒に道場の雰囲気を見に来てください。
練習をしなくても構いません。
見学だけでも大丈夫です。
私たちは、
「できる子」
を待っているのではありません。
「これから成長していく子どもたち」
との出会いを、楽しみにしています。
子どもの未来は、才能だけで決まりません。
その一歩を踏み出そうとする保護者の勇気から、新しい物語が始まることがあります。
その最初の一歩に、私たちはそっと寄り添っていきたいと思っています。
